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本の歴史

人間社会、そして文明の発達と共に、記憶を記録に残すべく様々な記録媒体が進化を遂げ登場するようになりました。

メソポタミアの粘土板文書、古代エジプトのパピルス書物と羊皮紙、古代中国では簡牘、絹帛と、記録媒体はその地域と歴史の中で発展を遂げてきたのですが、漢の時代に紙が発明されたと言われています。

いつ日本に製紙技術が伝来したかは定かではありませんが、現存する最古の本は7世紀初めの聖徳太子自筆と言われる「法華義疏」で、その後の白鳳時代、奈良時代の本の遺品が数千点にのぼります。1000年以上前の紙の本がこれほどまでに残っているのは世界的に例がなく、日本が独自の製紙技術の発展を遂げたことに起因します。一般的には1450年頃、ルネサンスの三大発明の一つ、ドイツのグーテンベルクの活版印刷から近代印刷の歴史は始まると言われています。それまでは手書きという手段しかなかった時代に、情報伝達の新たな手段として社会に多大な影響を与えたことは言うまでもありません。

ヨーロッパや朝鮮から日本に活版印刷の技術が入ってきたのは16世紀でしたが、本格的にその技術が普及し始めたのは明治時代に突入してからのことでした。江戸幕府の通詞、教育者であった本木昌造が日本独自の活版印刷を実用化することによって、日本でも急速に普及することになったのです。

そして現在、デジタル化により活版印刷はすっかり影を潜め、オンデマンド印刷という新しい印刷技術、そして電子書籍の登場によって新たな歴史を刻もうとしています。